読書ノート

読んでよかった本だけを取り上げて、要旨や感想をノートしているつもりですが、一言いちゃもんつける癖は抜けません。

ニッポン巡礼 アレックス・カー2020

「ニッポン景観論」できつく土建国家批判をしたアレックス・カー氏は、最近は隠された日本の魅力を捜し歩く巡礼に力を入れている。
 
 日吉神社は信長の比叡山焼き討ちの後秀吉によって再建された桃山文化絶頂期の建築。奥宮は八王子山の上にある。
 
 鳥取県智頭町の石谷家は、住居の東大寺ともいうべき大規模な木造建築。太い梁や桁が実に見事。江戸時代には大庄屋に任じられ、明治以降は山林地主として富を築いた。大正時代に建てられた。
 
 奄美大島嘉徳浜をコンクリート護岸から守りたい。加計呂麻島の諸鈍のデイゴの並木は樹齢数百年の古木が並ぶ神秘的な味わい。のような自由に伸びた枝ぶりを見ること自体が日本では極めて稀。武名のガジュマル。
 
 萩市には江戸屋横丁界隈、城近くの堀内地区、餐場川に面した地区など旧市街が広い範囲にわたり残っていて、昔の時代にタイムスリップする感覚に浸れる。
 
 会津下郷町大内宿は、会津若松と江戸をつなぐ参勤交代の脇街道の宿場町。伝建地区に指定され、屋根をかやぶきに戻したり、道の舗装を土の街道に復元したりしながら往時の姿を取り戻した。茅葺き屋根を維持するためには膨大な量の茅と資金と屋根を拭く技術が不可欠。大内宿には茅葺きに人生をささげる人たちがいる。