読書ノート

読んでよかった本だけを取り上げて、要旨や感想をノートしているつもりですが、一言いちゃもんつける癖は抜けません。

2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

失敗に学ぶ中心市街地活性化 英国のコンパクトなまちづくりと日本の先進事例 横森豊雄ほか

中心市街地に関する本は最近多数出版されているが、本書は、英国の失敗と成功の経験と、日本の5つの事例(長野、日向、青森、宮崎、柏)を、商業まちづくりを専門とする3人の著者の視点から詳述しているところに特徴がある。 80年代のサッチャー政権下の規制…

『日本の空を問う』 伊藤元重他

日本の航空産業は、戦略的産業観が欠如し、金融業と同じく市場経済のスピードを見誤った。 ?首都圏の空は、国際線を成田、国内線を羽田と分離したために、ネットワーク機能を損なっている。 ?成田、羽田の発着枠拡大や、関空、中部の余裕を踏まえ、日本もオ…

中心市街地の成功方程式 細野助博

「成功方程式」というインパクトのあるタイトルに、すぐ効くよく効く処方箋を期待してしまったが、そんな安直な本ではなかった。 中心市街地本には都市計画的アプローチと商業・流通的アプローチがあるが、本書は後者に属する。 本書は、市街地の公共性を問…

『地域は「自立」できるか』 奥野信宏

著者は公共経済学を専門とする著名な経済学者であるが、「市場原理主義」と言われがちな一般の経済学者とは違い、国土審議会の主要メンバーも務めるなど政策形成に参画し、また地方の実情を自らの目でよく見ている。本書の見解は、現実を踏まえたバランスの…