アムステルダム245万人。コペンハーゲン184万人。ベルリン+ブランデンブルグ州600万人、ストラスブール48万人、ポートランド160万人、トロント641万人、メルボルン449万人。この本で取り上げられている欧米豪の都市圏人口だ。
コンパクトシティというと、日本では人口30万人程度の地方都市を対象とすることが多いが、それとはスケールが異なる。()追記:ストラスブール以外は、日本でいうと広島都市圏から名古屋大都市圏くらいの人口規模だ。)本書の記述と対比すべきは、日本のコンパクトシティ政策のためにつくられた立地適正化計画というよりはむしろ、大都市圏計画、広域地方計画、都心部や臨海部の都市再生緊急整備地域の方だろう。そこであらためて気づくことは、我が国における、(事実上)消滅してしまった首都圏など大都市圏計画、忘れられた土地利用基本計画、空間計画の体をなしていない広域地方計画、区域内に高層ビルを建てることが目的となり周辺部のことなど無視した都市再生、そして都市圏計画のない(都市計画法に基づく)都市計画などではないだろうか。
ヨーロッパ諸国がコンパクト化政策の導入を進めていた20世紀末において、残念ながら日本では将来の人口減少が予測されていながらも、コンパクト化への政策に対する議論や、ましてや転換がなされることはなかった。p19
オランダの国土空間政策は、1980年代にコンパクトシティ政策に転換した。p46 都市圏の小地域毎に開発区域と許容住宅戸数が定められる。
コペンハーゲンでは自転車通勤など近距離通勤が多く、多くが中心部に向けて通勤するという極端な一極集中は見られない。
トロントの外周にいはグリーンベルトが指定されている。都市範囲の拡大ではなく、既成市街地や低未利用で放置されていた地区の高密化と機能充実によって、増加する人口を受け止めるコンパクトシティ政策をとっている。p214
メルボルンは、「メルボルン2030」(2002年公表の大都市圏計画)で、大都市圏縁辺部の低密度地区における開発を減らし、既存の市街地部分へ新規開発を誘導することにした。2018年の計画では鉄道網のアップグレードを重視し、現在事業進行中。p234